甲州街道紀行

覚蔵寺

清月山覚蔵寺は日蓮宗の寺で、本尊は十界曼荼羅・宗祖日蓮聖人像です。

当寺はもと真言宗の寺でしたが、慶長年間（一五九六～一六一四）に日蓮宗に改宗、中興開山は実成院日相と伝えられています。

当寺に安置されている鬼子母神像は、日蓮聖人の直刻と伝えられています。 このことは「江戸名所図会」にも記載されているもので、文永八年（一二七一）聖人が龍ノ口法難にあわれる前、 馬に乗せられ鎌倉の街を引きまわされて刑場に向かう途中、一老女からごまのぼた餅を供養され、そのお礼として手渡ししたものであるといわれています。 この像は江戸時代の中ごろに、鎌倉の妙法寺から当寺に安置され、それ以降海運鬼子母神として、人々の信仰を集めるようになり、寺運も大いに栄えたといわれています。

境内の日蓮成人五百遠忌の年にあたり、それを記念して銅像を建立しています。

また、開山日相聖人塔は三百五十遠忌の年（昭和四十一年）に建立されたものです。

なお、当寺は大本山池上本門寺の末で、現本堂は昭和三十一年に改葬されたものです。